第5回:2020年02月16日
ゲスト講座:自問自答する〜被写体とわたし〜
ワークショップ:ペタ/最後の動画制作「私の伝えたい現場 –1人の視点から見る-」相談会
- ペタ 〜ストーリー構成を考える手法〜
- 最後の動画制作「私の伝えたい現場 –1人の視点から見る-」相談会
(課題:書き起こしを行なった上でスクリプトを作成・撮影・編集)
第6期毎日ビデオジャーナリズムラボ第5回講座は、「自問自答する〜被写体とわたし〜」をテーマに、セクハラをドラマ化した映画「些細なこだわり」を公開予定の舩橋淳さんをお招きしました。「ジャーナリズムとは『ヘッドライン』に言語化をするものであり、映画とは言語化できないものを表現するものだ」というお話から始まった舩橋さんのご講演。舩橋さんが映像の構成を立てるための「ペタ」の作業の際に意識されているのは「Stare at blank. (余白を見る)」ことだと言います。本当におもしろかった、印象に残ったシーンのペタ(メモ)のみを残し、2〜3時間かけて余白を見続けブレインストーミングを行うそうです。そこでの自問自答から、新たな視点や気づきがあるのだと教えてくださいました。最後に、「世界で求められているドキュメンタリーのクオリティーは『AUTHENTICITY(そこにしかない本当らしさ)』だ」と話し、「そのために映像に説得力を持たせて欲しい」と受講生にメッセージをくださいました。
受講生からは、「“余白を見つめる”、”自分にブレスト”、“つまらなくても諦めない”はとてもわかりやすい内容でした。自分が迷ったり混乱しているからこそ、学びがありました」「構成についてはプロの方もずっと悩んで向き合っているのだなあということがわかりました」「本日は学びの多い1日でした。最も感銘を受けたのは、世界で求められているドキュメンタリーのクオリティとは「説得力の高さ」だということでした。説得力がある映像を作りたいです」「『そこにしかない本当らしさ』という言葉を大切にしたいなと思いました」「自問自答に時間をかければかけるほど自信がつくということが印象的でした」「ペタの余白を見るということを知りました。じっくりと構成を練る方法を知れてよかったです」などの感想がありました。
講座の後半は、編集ソフトの使い方やコツについてレクチャーを行いました。間を意識した音の調節や、インサートを入れる方法などを具体的に解説。特にインサートについては、講師陣から「撮影時からインサートを撮るという意識を持って欲しい。インタビュー内容を画で伝えるにはどうすべきかを意識し、インタビュー後にその画を撮ってから帰って欲しい」とアドバイスがありました。また、レギュラー講師の堀から「ペタ」の具体的な方法についてのレッスンもありました。いよいよ来月に迫った動画制作発表会。最後まで、取材現場で五感で感じたことを大切に、自問自答を繰り返し、映像完成まで粘り強く作品と向き合って欲しいと願っています。