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第5回 | 毎日ビデオジャーナリズムラボ

第6期(2019年10月-2020年3月)

第5回:2020年02月16日

ゲスト講座:自問自答する〜被写体とわたし〜

舩橋淳さん
映画作家
東京大学卒業後、ニューヨークで映画制作を学ぶ。処女作『echoes』(2001)がアノネー国際映画祭で審査員特別賞・観客賞。第二作『Big River』(2006、主演オダギリジョー)はベルリン国際映画祭、釜山国際映画祭等でプレミア上映された。2005年アルツハイマー病に関するドキュメンタリーで米テリー賞を受賞。2012年福島原発事故を描いた「フタバから遠く離れて」は、ベルリン国際映画祭でワールドプレミア、音楽を担当した坂本龍一とともに登壇。世界に向けフクシマの窮状を訴え、その後世界40カ国以上で公開された。同スピンオフ作品「放射能 Radioactive」は、仏Signes de Nuit国際映画祭でエドワード・スノーデン賞を受賞。2013年メロドラマ『桜並木の満開の下に』(主演:臼田あさ美、三浦貴大)はベルリン国際映画祭へ5作連続招待の快挙。他に「小津安二郎・没後50年 隠された視線」(2013, NHKで放映)、「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY OF NMB48」(2016)など。2018年日葡合作の劇映画「ポルトの恋人たち 時の記憶」(主演柄本祐、アナ・モレイラ)を監督。柄本佑はキネマ旬報最優秀男優賞に輝いた。 オフィシャルHP:www.atsushifunahashi.com

ワークショップ:ペタ/最後の動画制作「私の伝えたい現場 –1人の視点から見る-」相談会

  • ペタ 〜ストーリー構成を考える手法〜
  • 最後の動画制作「私の伝えたい現場 –1人の視点から見る-」相談会
    (課題:書き起こしを行なった上でスクリプトを作成・撮影・編集)

レポート

第6期毎日ビデオジャーナリズムラボ第5回講座は、「自問自答する〜被写体とわたし〜」をテーマに、セクハラをドラマ化した映画「些細なこだわり」を公開予定の舩橋淳さんをお招きしました。「ジャーナリズムとは『ヘッドライン』に言語化をするものであり、映画とは言語化できないものを表現するものだ」というお話から始まった舩橋さんのご講演。舩橋さんが映像の構成を立てるための「ペタ」の作業の際に意識されているのは「Stare at blank. (余白を見る)」ことだと言います。本当におもしろかった、印象に残ったシーンのペタ(メモ)のみを残し、2〜3時間かけて余白を見続けブレインストーミングを行うそうです。そこでの自問自答から、新たな視点や気づきがあるのだと教えてくださいました。最後に、「世界で求められているドキュメンタリーのクオリティーは『AUTHENTICITY(そこにしかない本当らしさ)』だ」と話し、「そのために映像に説得力を持たせて欲しい」と受講生にメッセージをくださいました。

受講生からは、「“余白を見つめる”、”自分にブレスト”、“つまらなくても諦めない”はとてもわかりやすい内容でした。自分が迷ったり混乱しているからこそ、学びがありました」「構成についてはプロの方もずっと悩んで向き合っているのだなあということがわかりました」「本日は学びの多い1日でした。最も感銘を受けたのは、世界で求められているドキュメンタリーのクオリティとは「説得力の高さ」だということでした。説得力がある映像を作りたいです」「『そこにしかない本当らしさ』という言葉を大切にしたいなと思いました」「自問自答に時間をかければかけるほど自信がつくということが印象的でした」「ペタの余白を見るということを知りました。じっくりと構成を練る方法を知れてよかったです」などの感想がありました。

講座の後半は、編集ソフトの使い方やコツについてレクチャーを行いました。間を意識した音の調節や、インサートを入れる方法などを具体的に解説。特にインサートについては、講師陣から「撮影時からインサートを撮るという意識を持って欲しい。インタビュー内容を画で伝えるにはどうすべきかを意識し、インタビュー後にその画を撮ってから帰って欲しい」とアドバイスがありました。また、レギュラー講師の堀から「ペタ」の具体的な方法についてのレッスンもありました。いよいよ来月に迫った動画制作発表会。最後まで、取材現場で五感で感じたことを大切に、自問自答を繰り返し、映像完成まで粘り強く作品と向き合って欲しいと願っています。

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