第5回毎日リテラシーラボ 2019年3月17日(日)

2019年3月17日(日)、毎日新聞社内「毎日ホール」にて「第5回毎日リテラシーラボ(毎日新聞社/GARDEN共催)」を開催しました。レギュラー講師の毎日新聞GHD取締役・小川一さん、白鴎大学客員教授・下村健一さん、ジャーナリスト・堀潤さんに加え、第一部のスペシャルゲストとして評論家/「PLANETS」編集長の宇野常寛さんをお迎えしました。

第1部は、「宇野常寛さんに聞く『インターネットとの向き合い方』」。事前に参加者の皆さんから募った「インターネットとの付き合い方」についての質問に、宇野さんの視点から鋭く回答してくださいました。 情報が「速い」速度で飛び交うインターネット環境の中で、「ゆっくりと情報を咀嚼して消化できるインターネットの使い方『遅いインターネット計画』」を提案している宇野さん。「ネットに疲れた」という参加者からの声には、「『インターネット=SNS』になっているのが悲しい。発信ではなく、発散になっている。『遅く』接することができるのがインターネットの良さだった。インターネットは『弱者のメディア』と言われていた。弱い人のためのメディアに舵を切るべきだ」とお話しくださいました。また、フィルターバブルについて「意見が合わない人もフォローしているがヘイトもあり疲れる」という質問には、「意見を相対化してくれるもの、議論、視野を広げてくれるのは他人の意見ではなく事実だ」と。 参加者からは、「発信が発散になってしまっているということが、胸が痛いなと気づきました」「インターネットに疲れを感じていましたが、それはSNSに疲れていただけで、インターネットの使い方を考え直そうと思いました」「『インターネット=SNS』ではないという認識を改めて持たせてくれたことはとても大きかった。『世界の図書館』だったことを思い出し、向き合い方を見直していきたいと思います」などの感想が聞かれました。

第2部では、毎回大好評の、下村さんによる「情報に踊らされないための《4つのハテナ》」レクチャー。情報を受け取った時に判断を急がず、「まだわからないよね?」(ハテナ1)、「事実かな?意見・印象かな?」(ハテナ2)、「他の見え方もないかな?」(ハテナ3),「隠れているものはないかな?」(ハテナ4)と一度保留してみようという、日常生活に取り入れやすい4つのハテナについて、具体的な事例にも触れながら解説くださいました。

会場には、下村さんが小5国語教科書に書き下ろした「想像力のスイッチを入れよう」で、今年1月にメディアリテラシーを学校で勉強したばかりの5年生の女の子も参加してくれました。大人の参加者の皆さんは、子どもたちがこのような教材で学んでいることに驚きつつ、子どもに戻った心構えで新鮮な気持ちで学んでいる様子でした。参加者の皆さんからは、「子ども向けの柔らかい進行だからこそ、リラックスして聞くことができ、気づきや学びがありました」「大人になって改めて子ども目線で教えてもらうと開眼です。お子様よりも大人の方がこの学びは必要かもしれません」「具体的に立ち位置を変更してみると、まるで違う見え方になった。メディアの見え方の広がりや、これからのメディアとの付き合い方の基礎ができたようです」「いろいろな見方があるのに、いかに自分の考えで固定化していたか、目から鱗でした」「前回初めて、娘と息子と孫で参加しました。子供たちとの会話に『ほんとかな?』をたくさん使うようになりました。明日からは『鵜呑みにするな』を足して会話して、また半年後に参加します」などの感想がありました。

第6回毎日リテラシーラボは、2019年9月29日(日)10時からを予定しております。メディアリテラシーを学んだことのある子どもたちは、5年生の教科書をきっかけに年々増えることと思います。しかし、大人は、子ども以上に日々多くのメディアに接するものの、人生で一度もメディアリテラシーを学ぶチャンスがなかったという方も少なくないでしょう。是非一度、「毎日リテラシーラボ」で一緒に学んでみませんか?

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